排尿すると痛いのはなぜ?
考えられる病気と受診の目安
公開日:2026/10/01

- 「おしっこをするときに痛い」
- 「排尿の終わりにツーンと痛む」
- 「尿道がヒリヒリする」
排尿するときの痛みを「排尿時痛」といいます。
排尿時痛というと膀胱炎を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、原因は膀胱炎だけではありません。
尿道炎や尿路結石、性感染症など、さまざまな病気で起こることがあります。また、男性では前立腺の炎症が関係していることもあります。
今回は、排尿時の痛みから考えられる病気や、泌尿器科を受診した方がよい症状について解説します。
排尿時痛とは?
排尿時痛とは、尿を出すときに尿道や下腹部などに痛みや不快感を感じる症状です。
痛みの感じ方は人によって異なり、
- ツーンと痛む
- ヒリヒリする
- 焼けるように痛い
- 排尿の最後に痛む
- 尿道の出口が痛い
- 下腹部が痛む
など、さまざまな訴えがあります。
「どのタイミングで痛むのか」「ほかにどんな症状があるのか」は、原因を考えるうえで大切な情報になります。
排尿すると痛いときに考えられる病気
① 膀胱炎
排尿時痛の代表的な原因のひとつが膀胱炎です。
特に女性に多く、
- 排尿すると痛い
- トイレが近い
- 急に尿意を感じる
- 排尿後もすっきりしない
- 尿が濁る
- 血尿が出る
などの症状がみられます。
特に「排尿の終わりごろにツーンと痛む」という症状は、膀胱炎でみられることがあります。
適切な検査を行い、必要に応じて治療することが大切です。
② 尿道炎
尿の通り道である尿道に炎症が起こると、排尿時にヒリヒリした痛みや違和感が現れることがあります。
尿道炎では、
- 排尿時の痛み
- 尿道のかゆみや違和感
- 尿道から分泌物が出る
などの症状がみられることがあります。
尿道炎の原因にはさまざまなものがあり、性感染症が関係している場合もあります。
③ クラミジア・淋菌などの性感染症
排尿時痛は、クラミジアや淋菌などの性感染症によって起こることもあります。
特に、
- 性交渉後に症状が出た
- 尿道から分泌物が出る
- パートナーが性感染症と診断された
といった場合には、性感染症も考える必要があります。
一方で、性感染症は感染していても自覚症状がほとんどないことがあります。
症状だけで判断せず、気になる場合には検査を受けることが大切です。
当院では、クラミジア・淋菌などの性感染症検査も行っています。
④ 尿路結石
腎臓や尿管、膀胱などに結石がある場合にも、排尿時の痛みや違和感が起こることがあります。
尿路結石では、
- 腰や脇腹の強い痛み
- 下腹部の痛み
- 血尿
- 吐き気
- 頻尿
- 排尿時の違和感
などを伴うことがあります。
結石の場所によって症状は異なります。
⑤ 腎盂腎炎
膀胱などから細菌が腎臓まで上がって感染すると、腎盂腎炎を起こすことがあります。
排尿時痛や頻尿などに加えて、
- 発熱
- 悪寒・震え
- 腰や背中の痛み
- 吐き気
- 強いだるさ
などがみられる場合には注意が必要です。
特に尿路結石などによって尿の流れが妨げられている状態で感染を起こしている場合には、重症化することがあります。
発熱や悪寒、強い腰痛を伴う場合は早めに医療機関を受診してください。
⑥ 前立腺炎
男性の場合は、前立腺炎によって排尿時痛が起こることがあります。
前立腺炎では、
- 排尿時の痛み
- 頻尿
- 尿が出にくい
- 会陰部の痛みや不快感
- 下腹部の違和感
などがみられることがあります。
急性細菌性前立腺炎では、高熱や悪寒などを伴うこともあります。
女性の排尿時痛=すべて膀胱炎ではありません
女性で排尿すると痛い場合、「また膀胱炎かな?」と思う方も多いでしょう。
確かに女性では膀胱炎が多くみられます。
しかし、
- 尿道炎
- 性感染症
- 尿路結石
- 腎盂腎炎
などでも似た症状が起こることがあります。
特に、膀胱炎を繰り返している、いつもの膀胱炎と症状が違う、治療しても改善しないといった場合には、別の原因がないか確認することが大切です。
市販薬や残っている抗菌薬を飲んでもいい?
排尿時痛があると、以前処方された抗菌薬が残っていて「これを飲めば治るかな?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、自己判断で残っている抗菌薬を服用することはおすすめできません。
原因となる病気や細菌によって、必要な治療は異なります。
また、抗菌薬を服用してから受診すると、尿検査や培養検査の結果に影響することもあります。
排尿時痛がある場合は、できるだけ適切な検査を受けてから治療することが大切です。
泌尿器科ではどんな検査をするの?
排尿時痛がある場合には、まず尿検査が重要です。
尿中に、
- 白血球
- 赤血球
- 細菌
などがないかを確認します。
必要に応じて、
- 尿培養検査
- 性感染症検査
- 超音波検査(エコー)
- 血液検査
などを行います。
症状や検査結果から原因を考え、適切な治療につなげます。
すぐに受診した方がよい症状は?
排尿時の痛みに加えて、次のような症状がある場合には早めの受診が必要です。
- 高熱がある
- 悪寒や震えがある
- 腰や背中が強く痛む
- 吐き気や嘔吐がある
- 血尿が多い
- 尿がほとんど出ない
- 強い下腹部痛がある
- 症状が急激に悪化している
特に、発熱+腰や背中の痛みがある場合には腎盂腎炎などの可能性があります。
また、結石による尿路閉塞に感染を伴っている場合などは緊急性が高くなることがあります。
痛みが軽ければ様子を見ても大丈夫?
痛みが軽い場合でも、排尿時痛が続いている場合には原因を確認することをおすすめします。
特に、
- 数日たっても改善しない
- 排尿時痛を繰り返している
- 頻尿や残尿感もある
- 血尿がある
- 尿道から分泌物が出る
- 性感染症が心配
といった場合は、泌尿器科へご相談ください。
当院では泌尿器科専門医が診療します
排尿時痛は、膀胱炎だけでなく、尿道炎、性感染症、尿路結石、腎盂腎炎、前立腺炎など、さまざまな病気で起こります。
当院では、泌尿器科専門医が症状を詳しくお聞きし、尿検査など必要な検査を行ったうえで原因を確認します。
また、女性の方にも安心して受診していただけるよう、女性の泌尿器科専門医が診療しています。
クラミジア・淋菌などの性感染症検査についてもご相談いただけます。
- 「膀胱炎なのか分からない」
- 「性感染症だったらどうしよう」
- 「こんな症状で泌尿器科へ行っていいの?」
という方も、気になる症状があればお気軽にご相談ください。
まとめ
排尿するときの痛みは、膀胱炎だけが原因とは限りません。
考えられる病気には、
- 膀胱炎
- 尿道炎
- 性感染症
- 尿路結石
- 腎盂腎炎
- 前立腺炎
などがあります。
特に、発熱や悪寒、強い腰痛、血尿、尿が出ないなどの症状を伴う場合は、早めの受診が必要です。
痛みの程度だけで自己判断せず、症状が続く場合や繰り返している場合には、泌尿器科で原因を確認しましょう。
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このコラムの監修医師
北戸田ナノ整形外科泌尿器科クリニック
副院長早川 希
略 歴
- 2007.3 獨協医科大学卒業
- 2009.4 東京女子医科大学 泌尿器科
- 2009.10 戸田中央総合病院 泌尿器科
- 2012.4 東京女子医科大学 泌尿器科
- 2013.4 済生会川口総合病院 泌尿器科
- 2015.4 済生会川口総合病院 泌尿器科 医長
- 2016.4 江戸川病院 泌尿器科
- 2017.11 大野中央病院 泌尿器科 医長
- 2025.5 北戸田ナノ整形外科泌尿器科クリニック副院長
資 格
- 日本泌尿器科学会認定専門医
- がん緩和ケア 研修修了
- ロボット手術 Da Vinci console surgeon certificate
所属学会
- 日本泌尿器科学会
- 日本透析医学会
- 日本移植学会







