自覚することはないですが、骨は常に新しい骨へと作り替えられています。
しかし、古い骨が壊れていくのと、新しい骨のできるバランスが崩れていくと、骨粗鬆症のように骨がスカスカの状態になり弱ってしまいます。
このバランスの崩れは加齢によるものが多く、それゆえ高齢者には骨粗鬆症の方が多い傾向です。
骨の弱った状態を放置しておくと、骨折になりやすくなったり、腰痛・背部痛の原因になったりします。
骨は危険信号を出すことがなく、ささいなことでの骨折から、初めて弱っていたことに気づく場合が多いです。
ご自身の骨密度をしっかりと知っておくことは、骨から全身の健康状態を知ること、また将来の病気の予防にとても大切なことなのです。
骨密度の検査とは、骨の中にあるカルシウムやマグネシウムなどのミネラルの量を計測するものです。
当クリニックでは骨密度測定装置(GE製のchorale)による検査を実施しています。
このchorale(コラール)による検査は簡易検査ではなく、精度が高く誤差も少ないDXA法による精密検査になります。
測定にかかる時間は10分程度で、患者様には横になっていただくだけで検査ができます。負担が少なく、短時間で済むというのも特徴になっています。
検査の結果、骨密度が低くなっていた、骨が弱っていたと分かったら、これ以上の低下を防いでいくための治療を始めましょう。
お薬での治療の他に、食事や生活習慣の改善、適切な運動指導を行い、骨が弱っていくのを抑えていきます。
喫煙やアルコールは悪影響となりますので、禁煙や禁酒をめざし、控えていけるようにしましょう。
検査の結果、骨密度に問題がなければそれでいいというわけではありません。
食生活や運動不足、加齢など様々な要因で、カルシウムやマグネシウムの吸収が乱れたり減少したりすれば、骨の破壊と再生のバランスが崩れてしまいます。
骨の健康を維持するには、食事や運動、また女性であればホルモンのバランスまで気を付けていく必要があります。
骨が弱っていない方も、上記のように予防につとめましょう。また定期的に骨密度の検査をうけ、その時の骨の健康をチェックするようにしましょう。
腰痛や関節痛などの症状が既にある方、そして特に自覚症状がないという方でも、ご自身の骨の健康状態のために一度骨密度検査を受けてみるようにしましょう。